「いつかは子どもを…」と思っていたのに、いざ妊娠が分かると、喜びよりも戸惑いや不安のほうが大きくなる
仕事を頑張ってきたからこそ、「これからどうなるの?」とキャリアが止まることに焦りを感じる
妊娠・出産は女性の体に大きな負担がかかるのに、「なんで私ばっかり…」というモヤモヤが消えない
そんな葛藤を抱えながら迎える初めての妊娠生活。
私も第一子の妊娠が分かってしばらくの間は、不安や戸惑いばかりが大きくなり、複雑な気持ちで過ごしていました。

出産前は復職がものすごく遠くに感じましたし、これだけ高齢で出産している同僚もいなかったので、キャリアに対しての不安が大きかったのかもしれません
- 妊娠が分かったとき、私はどんな気持ちだったのか?
- その後、妊娠期間中に気持ちの変化はあったのか?
- 出産後の復職はどうだったのか?
- そして、復職後のキャリアはどうなったのか?
こうした私自身の経験をお伝えできればと思います。
今、かつての私と同じように 初めての妊娠に戸惑ったり、キャリアへの不安を感じていたり、「この気持ちは私だけ…?」と悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
この記事を書いた人


妊娠発覚直後の気持ちは「なぜ私だけがキャリアを止められなきゃならないの?」
妊娠が発覚した時の私はまさに「脂が乗ってた」時期
妊娠が分かった当時、私は 管理職として社内表彰を受け、さらに昇格のチャンスも目前 というタイミングでした。もともと 管理職を経験したい という思いで入社した今の会社。



念願叶ってマネジメントに携わり、努力が評価され、やりがいを感じていたその矢先の妊娠発覚でした
35歳を超え、キャリアウーマンとして仕事一筋で生きてきた私にとって、妊娠の喜びは一瞬。
その後すぐに、 「なんで今なの?」 「なんで夫は何も変わらないのに、私のキャリアだけが犠牲になるの?」 という葛藤に飲み込まれていきました。
妊娠初期の気持ちは「おなかの中に時限爆弾を抱えているみたい」
妊娠に気づいたのは5週の時。それからすぐ、つわりが始まりました。
同僚などにはまだ妊娠を伝えられないタイミングで、本当はつわりで体調が優れなくても、会社では何事もないような顔をして仕事をしなければなりません。
ギリギリコロナ前でフル出社の時代でした
当時はアドレナリンが出ているのか、会社に居る時間は元気で、会社を出て最寄り駅のホームに着いたとたん電池切れ…。
帰宅後はベッドに直行して横になることしかできないような日々でした。
そんなつわりも影響して
- なんで自分だけがこんなにしんどいのに平気な顔して仕事しなきゃならないの?
- 夫にも同じ想いをさせるにはどうすれば良い?」
- カギをかけたシークレットBOXを渡して産まれるまで夫に持たせたらどうか?
という謎の思考にますます陥っていきました。
とにかく
- 男性は子どもができても何も変わらなくキャリアに傷がつかなくてずるい
- なんで女性ばっかり体の変化や、悪阻を隠して仕事や、おなかの子どもへの不安を抱えなきゃならないんだ…
- 私だって仕事がしたい!
と仕事からの帰り道はそんなことばかり考えていました。
気持ちの変化はあったのか?
「男性はずるい」という思考からは安定期までには抜け出せた
夫に「シークレットBOXを持たせてやりたい」と思わなくなったのがいつ頃だったのかは忘れてしまいましたが、気づけば安定期に入る頃には、そんな気持ちも自然となくなっていました。
その大きな転機となったのは、あるシンプルな気づきでした。
- 出産は女性にしかできない
- この少子化社会で、子どもを産むこと自体が社会貢献なんだ
そう思えた瞬間、



そうか、出産は男性にはできない社会貢献なんだな
じゃあ、私がやり遂げよう!
と気持ちが切り替わりました。
それまでは 「キャリアを優先すべきか…」 と悩んでいましたが、 子どもを産むことが社会にとって大きな意義がある と感じられたことで、その考えから少し解放されたのだと思います。
振り返ってみると、妊娠初期の 「自分の行動ひとつでおなかの子の命に影響してしまうかもしれない」 という強い不安も、「男性は何も変わらなくてずるい」と感じる要因だったのかもしれません。
でも、少しずつおなかが膨らみ、胎動を感じるようになるにつれて、 「ちゃんと生きてる」 という実感が湧き、不安が和らいでいきました。
その変化が、私の気持ちを前向きにしてくれたのだと思います。
独特の思考から抜け出してからはとにかくおなかの中の子が愛おしい存在に
自分の気持ちが前向きになってからは、妊娠生活のすべてが人生で初めての経験だったこともあり、この年齢で貴重な体験ができることが嬉しくなりました。
お腹の赤ちゃんはよく動く子だったので、たくさん声をかけながら、楽しく充実した妊娠生活を過ごすことができました。
もちろん出産まで、無事に生まれてくれるかの不安はつきまといましたし、年齢的にも心配で夫と相談してNIPT検査を受けたりもしました。
夫婦2人で過ごせる最後の時間を大切にしようと、国内旅行に何度か出かけたり、ずっと行きたかったお店で一緒に食事を楽しんだりしました。
「今しかできないことを思いきり楽しもう」 そう意識したことで、妊娠期間は特別な思い出とともに、かけがえのない時間になりました。
もちろん、産休に入るギリギリまで一生懸命働き、仕事は今でも私にとって大切なもの。
でも、不思議と 「なんで自分ばっかり…」という気持ちはなくなり、 代わりに 「経験できないと思っていた妊娠を経験できて本当に幸せだ」 という想いで過ごせるようになっていました。



「夫にシークレットBOXを持たせてやりたい」 なんて思っていた自分と、こんなにも変わるなんて…(笑)
2人の子どもを持った今の考え方
昇進したい気持ちが まったくない わけではありません。でも、今の私にとって 最優先すべきは家庭の安定。
復職後に紆余曲折を経験したからこそ、 「家庭第一でいたい」という思いがより強くなりました。
出産前は、 キャリア=昇進という考え方でしたが、今はキャリア=どうやって社会貢献するかに変わったと実感しています。
この考えに至った理由はいくつかありますが、やはり 第1子妊娠中に「出産することも社会にとって意義がある」と肌で感じたこと が大きいです。
その延長で、仕事に対しても 「自分の仕事は誰かの役に立つものか?」 という視点を持つようになり、それにやりがいを感じるようになりました。



その先に昇進があるなら、それはありがたいことです
でも、 「昇進のために頑張る」ではなく、「誰かのためになる仕事をした結果、評価される」 という形が、今の私にはしっくりきます。
復職後の私のキャリア
第1子出産後
第1子出産後の復職は、出産からちょうど1年経った日でした(産休育休含めて1年2か月不在期間がありました)。
第1子の当時の保育園は「慣らし保育」がない保育園だったので、初日からしっかり働いたことが記憶に残ってます。



といってもPCや社用携帯の設定で1日は終わりました
産休前と同じ部署・同じマネージャー職
ポジションを変えずに戻らせていただきました。
社内異動で営業職
別部署からご指名をいただき、職級は変わらずでしたが、新たな挑戦でした。
営業部署で再びマネージャー職に復帰
ちょうどそのタイミングで、第2子の妊娠が発覚し、そのまま2回目の産休へ。
産休前と職級は変わらず、プレイヤーとしてもマネージャーとしても、出産前と同じように仕事を任せていただけたことは、私にとって大きな励みでした。
第2子出産後
産後2か月で復職したのですが(産休育休合わせて4か月位不在期間がありました)、数カ月間でも会社という組織は移ろいます。
産休前とは全く別の仕事内容での復職
職級は変わらずでの配属でした。
営業チームに異動
復職から約半年後、営業チームの主力メンバー退職に伴い前回とは違うチームへ異動。
再度社内異動があり現在は企画職として組織の教育推進



現時点でも第1子出産前から職級は下がらず(上がってっもいませんが)働いています。
私の産後のキャリア
職級で言えば、出産前と何も変わっていません。昇格もしていませんが、降格もしていません。
でも、それがすべてではないと、今は思えます。
マネジメント、プレイヤー、バックオフィス… さまざまな職種で会社から期待をいただき、組織・クライアント・マーケットに対して、多少なりとも貢献できている と実感できるからです。
産前に思っていた「キャリア=昇格」とは異なりますが、今の私としては「良いキャリアを積めている」と感じられる仕事ができています。
まとめ
・妊娠発覚後、自分のキャリアが止まることがとても不安で、「なんで(女性である)私だけ…」と素直に妊娠を喜べない時期があった
・ビジネス上の仕事だけが社会貢献じゃない。出産は女性である自分にしかできない大きな社会貢献であると思えたことで落ち着いた
・命を自分の中に抱える強い不安も要因の1つで、時間の経過とともに落ち着き、安定期前には妊娠を喜べる気持ちに変化していた
・産後のキャリアは、昇格はしていないけれど様々な経験をさせていただき、社会貢献できていると感じられているので「良いキャリアを積めている」と思えている
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